アメリカズカップにチャレンジするソフトバンク・チーム・ジャパンの奇妙な因縁

某編集部の原稿依頼キャンセルをうっかり見落としていて、書いちゃった原稿。もったいないので自分のブログにでもアップておこうということで。

世界で最も古いスポーツカップイベント

スポーツの大会で勝者が手にするトロフィーやカップ。世界大会ではサッカーのワールドカップやウィンブルドンなど有名ですが、世界一歴史のあるスポーツトロフィーと言われているのが、“アメリカズカップ”です。

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第1回大会の開催は、19世紀半ばの1851年。ペリー来航が1853年なので、日本が開国すらしていないころからスタートしています。
開催のきっかけは、ロンドンで開かれた万国博覧会の記念行事として。当時世界最高の海洋国としての力をアピールすべく、イギリス国内から14艇のチームが参加。そして、海外からはただ1艇、大西洋を越えてアメリカから“アメリカ号”が参戦しました。
当然地元開催で地の利もありイギリスチームが有利と思われていましたが、レースが終わってみると、アメリカ号が断トツのぶっちぎりでフィニッシュ。用意していたカップはアメリカへと持ち去られてしまいました。
これが“アメリカズカップ”と言われるゆえんです。

IT企業の億万長者も魅了するア杯

この歴史あるスポーツの世界大会アメリカズカップ。次回開催は2017年6月に予定されています。そしてソフトバンク・チーム・ジャパンが2000年の大会以来となる日本チームとしての参加を表明。現在は予選シリーズとなっている“アメリカズカップ・ワールドシリーズ”に参加し、世界を転戦しています。
今回の日本チームのメインスポンサーはソフトバンク。IT企業とヨット競技は一見すると関連性がないようですが、実は関係が深いのです。
たとえば、マイクロソフトの共同創業者として有名なポール・アレン。彼はアメリカの通信会社ネクステルが当初スポンサーをしていた“ワンワールド・チャレンジ”というチームを引き継いで、スポンサーをしていたことがあります。
ちなみにネクステルは現在のスプリントで、ソフトバンクのグループ企業です。
そして現在カップを保持しているチャンピオンが、アメリカの“オラクル・チーム・USA”。その名のとおり、世界でもトップクラスのIT企業オラクルの名を冠したチーム。オラクルのラリー・エリソンは、自ら艇に乗り込んでセーリングレースに出場したこともあるほどのヨット好きで、チームの資金も彼のポケットマネーなのではと言われています。

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ラリー・エリソンとソフトバンクの孫正義会長は、IT企業のトップとして旧知の仲。負けず嫌いの孫会長のことですから、初参戦とはいえオラクルには負けたくないはず。さらに、ワーンワールド・チャレンジがアメリカズカップ挑戦をしていたときに米国内でライバルだったのが、現チャンピオンのオラクル・チーム・USAなのです。
そんなライバル関係を頭に入れながら、アメリカズカップを観戦するのもオモシロですよ。

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