『100日間生きたワニ』を観て「4コマ」の素晴らしさを再確認した

ネット上で酷評かつイタズラの対象にまでされてしまった『100日間生きたワニ』を観てきました。

感想としては、「100日後に死ぬワニ」というタイトルと、Twitterで1日1本ずつ「4コマ」で掲載していくという手法というかシステムが、やはり秀逸だったなぁと。

主人公が100日後に死ぬという前提条件のため、1本読むごとにいろいろ考えさせられたりするんだけど、本編自体はたんたんと続き、読むほうの心はどんどんとクライマックスに向かって高揚していく。しかも終わりは余韻を残しながら、やはりたんたんと終わる。

あらためて「4コマ」というフォーマットは素晴らしいなぁと。たんたんとした日常をたんたんと綴るのにマッチしている。

んで、映画のほうはどうかというと・・・・・・原作のシステムに引きずられちゃったかなぁ。アニメーションで「たんたんとした日常をたんたんと綴る」のをあの絵柄でやるのは無理があったかなぁと。画面からの情報量が圧倒的に少なくなるからね。高畑勲監督が4コマ原作で「たんたんとした日常をたんたんと綴る」映画「ホーホケキョ となりの山田くん」を作るのに、なんであれだけの金と時間と精力と技術とアイディアをそそいだのか、逆によくわかる。

「100日後に死ぬワニ」を映像というか映画にするなら、アニメーションではなく実写でもよかったんじゃないかと。監督が実写畑で初のアニメ映画監督であればこそなおさら。100日後のエピローグで感動のおかわりをするんではなく、役者の演技や監督の演出、カメラワークでの「たんたんとした日常をたんたんと綴る」表現。

やったことのないジャンルにチャレンジすることは悪くないけど、それにしても初めてのアニメ映画で取り扱うには題材が悪かったかな。

実写にしたところで、大々的なアクションがあったり、感情の起伏の激しい映画にはならず、たんたんとした日常をたんたんと描くことになるとは思うけど、神木きゅんならそれができたと思うなぁ。観た後に余韻をたっぷりと残すたんたんとした演技が。劇中で声を聞いていれば聞いているほど、そう思っちゃった。

旅人ITライターさとる
旅人ITライターさとる

テレビとかCSとかサブスクで観られるようになったら観ればいいと思うよ。60分と短いし

コメント

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