M―1漫才論争とラーメンの共通点

M-1 2020年は漫才論争があちこちで出てますね。なかでも面白いなと思ったのが、おぎやはぎ矢作さんの記事。

矢作兼(49)は論争が繰り広げられている状況に「思ったんだけど、漫才って伝統芸能になってきてるんじゃない?」と指摘。「批判が出るということは、認められているんだよ。世間的にはけっこうレベルの高い芸能になってきてるのかもしれない」と自身の見解を語った。

矢作兼、M―1漫才論争に持論「伝統芸能になってきてる」 漫才師に「むしろ誇りに思った方がいい」

漫才の伝統芸能化というか、落語とかそれこそ能や狂言のような高尚化してるという話。これがなんで面白いかとおもったかというと、『ラーメン再遊記』に「ラーメンの高級蕎麦化の兆候」って話があって、それに似てるなぁと。

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ラーメンの高級蕎麦化っていうのは、江戸時代にスタイルが確立して大衆料理として長らく愛されてきた蕎麦は、現代では引き続き立ち食い蕎麦に代表されるようなファストフードとして大衆的な人気を集めている一方、客単価も高く素材や製法にこだわったハイクオリティーな高級蕎麦もある。

だけど高級蕎麦店で出されるのも、立ち食い蕎麦で出されるのも「ざる」や「かけ」がメインで料理としてのフレームは変わっていない。これは寿司や天ぷらも同じ感じなんだけど、ラーメンもそうで、最近の「ハイスペック醤油ラーメン」は、それにあたるのではという話。

矢作さんの言ってる、漫才の伝統芸能化というのもそんな感じなのかなと。いわゆる「正統派しゃべくり漫才」という伝統芸能に近い洗練された笑いと、ファストフード的な大衆受けのする、漫才のフレームを踏襲した笑い。

高級蕎麦と立ち食い蕎麦、高級寿司と回転寿司、高級天ぷらとてんや、どちらも同じ料理を出すけど、どちらが上とか下とかないわけで。TPOにあわせて食べるもんだからね。立ち食い蕎麦は蕎麦か論争、回転寿司は寿司か論争、てんやの天丼は天ぷらか論争って意味がないよね。

なので「あれは漫才かどうか」ってのにも意味はないかなぁと。まぁ「正統派しゃべくり漫才原理主義者」みなたいスノッブが多いだけって話でもあるんだけどね。

旅人ITライターさとる
旅人ITライターさとる

というか『ラーメン再遊記』おもしろい。前前作『ラーメン発見伝』、前作『ラーメン才遊記』とどちらもちゃんと読んでないけどおもしろい。

コメント

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